2022年12月に星海社に合流したばかりの新人編集です。
クラシック音楽系の会社などを経て、社会人5年目に差し掛かるタイミングでした。
星海社の面接は、単刀直入にコミュニケーションできる雰囲気がとても清々しかったのを覚えています。きっと物事がスピーディーに決まっていく社風だろうと、すぐにわかりました。面白いことなら何でもできる場所だというところに惹かれて、合流を決めました。
私の場合、30代の早いうちになにか面白いことに関わっていかないと、という焦りみたいなものもありました。
スピード感を重視したかったんです。
合流してみて、星海社で働くという決断はまったく正しかったと思っています。
すべてが、とてもスピーディー。そして刺激的。
これから手がける仕事ですが、まずマンガをやっていきます。
ネームの見方から打ち合わせの仕方まで、日々、様々な方からマンガのことを教わっています。
その成果を形にしたいです。それと、人文系・社会科学系の新書も仕掛けたい。
玄人を唸らせる新書を出したい。
マンガ・新書・小説と、自分次第では、すべてをやれる編集部は稀有だと思います。
たとえば新書の目次を、マンガのネームの考え方で整理してみる。
そんな経験ができるのは、ここだけです。星海社らしい「面白い」を世に問うていきたいと思っています。
私の場合、転職活動の軸は【1】一緒に働く方の雰囲気、【2】すぐに活躍させてもらえる環境かどうか。この二つを重視していました。
【1】一緒に働く方の雰囲気についてですが、単刀直入にコミュニケーションできる雰囲気。それは先ほど書いたとおりですが、それに加えて、一人ひとりが「面白い」とはなにかをプロとして突きつめている場所です。
私も、入社するまでは「面白い」に貪欲なほうだと思っていたものの、プロの迫力は違うなと、日々感じています。
自分が考える「面白い」に筋を通す部分と、他の人が考える「面白い」へのオープンな気持ち、どちらも必要だと思います。
「面白い」についてああでもないこうでもない、とやっていけることの楽しさと、本気でないと出て来ない緊張感は、面接だけでは伝わらない、じっさいに合流してみて知った編集部の醍醐味ですね。
【2】すぐに活躍させてもらえる環境かどうか。これは一言でいえば「YES」です。
より具体的に入社後のイメージをご紹介すると、入社後、早ければすぐに、遅くとも数ヶ月以内には「副担当」という形で先輩の担当書籍の補佐に入ります。
私の場合は、半年で9冊を担当・副担当させていただきました。
副担当といえども、相当クリエイティブなことまで任されます。
たとえばカバーイラストのイラストレーターさんと装幀デザイナーさん、著者さんの意見を橋渡しする、といったことをすぐに経験するはずです。
そこでは、副担当であろうとも編集者としてのセンスが問われます。
星海社FICTIONS新人賞座談会やツイ4新人賞座談会にも、早速参加しますので、入社してすぐに食らいつき、勉強する必要があると思いますが、本が好きな方にとってはご褒美だと思います。
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最後に、新人編集者がまず問われる力について、いまの私が感じることを書いてみます。
〈編集者は、たくさんの人とコミュニケーションする〉
1冊の書籍を完成させるまで、沢山の方からの連絡と成果物が編集者の手元を通過していきます。
企画・カバーデザイン・本文デザイン・執筆・作画・校正・印刷会社への入稿・電子書籍とWEB広報・販売イベント・・・そこで生じるコミュニケーションの一つひとつには、書籍に関わる方のクリエイションへの想いが乗っています。
新人が接するのには畏れ多いような「超一流」の方々と仕事することになります。その方々の想いに応え切れるか。当たり前のことですが、連絡が億劫になってしまうひとには、正直、向かないと思います。
〈ルールはなくとも、じぶんで手段を選んでやり遂げる力。〉
星海社以上に自由な職場は想像できません。誰かに押しつけられた手段を選ぶ必要はありません。
だけど、どんな手段があるのかについての想像力と、どの手段を選ぶべきかについての倫理観は、問われます。
自分のタスクを管理する経験がないかたが入社されると、相当苦労するはずですし、楽しいはずのことが楽しめなくなってしまうかも。バージョン管理と進捗管理が得意ならば、即戦力です。
〈書籍づくりは一冊ごとにまったく違う体験〉
書籍編集は、一冊一冊、かなり異なるプロセスを辿るので、飽きない・・・というより「飽きるヒマがない」仕事です。
しかも、新書も小説もマンガも担当できるのは夢のように面白い。
何でもかんでも飛びついていく良い意味での節操のなさが必要ですし、頭の柔らかさや状況把握力、吸収力も必要だと思います。
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みなさまの検討の手助けになれば、嬉しいです。
お会いできることを心から楽しみにしています。